三輪 華子 Hanako Miwa

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「侘寂から、みらいさびの新たな旅へ」

「伝統は、家や職にまつわるもの、特別なもののように思われがちですが、すべての日本人の心の中に自然と存在するものだと思います…」。古くから茶人に好まれてきた萩焼。その伝統ある窯元の家に三輪華子は生まれた。死生観、エロスなどをテーマに陶の限界に挑み続けてきた父(三輪龍氣生)とは別に、宇宙を内包する自然、その神秘と美を造形物として象り、炎に委ねてきた。そして、彼女が現在取り組むのが〈みらいさび〉というテーマ。生命がついえ、自然に帰する過程の美を表すものだ。萩焼の根源的な思想であり、やはり日本特有の美意識である侘と寂を、二十一世紀という時代にあらためて見つめ直す。新たな旅を始めようとしている。

月刊美術08 No.431 2011

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みらいさび

撮影 中川十内

三輪 華子 Hanako Miwa